木材は、外気に合わせ呼吸をする生き物です。梅雨時期などの湿気の多い時には湿気を吸い、冬の乾燥する時期には湿気を吐き出します。
DIYでよく使われるラッカー塗装や、アンティーク家具などで多く使われるウレタン塗装などは、木肌の上にプラスチックの塗膜を張るため、耐水性・耐摩耗性等の強度は強くなります。
「木の呼吸」を妨げてしまいますが、さらに表面は塗膜面になるため、木本来の温もりのある触り心地も損なわれっています。
それに対し、オイルフィニッシュは木材の表面にオイルを染み込ませることで、木材自体を強化する塗装方法です。
そのため、「木の呼吸」を妨げず、触り心地も木本来の温もりを維持することができます。
使用するオイルを選別すれば、植物由来の無添加の素材になるため、人工物であるプラスチックの塗装とは違い、環境にも体にも優しい塗装方法となります。
メリットとしてたくさんあるオイルフィニッシュですが、デメリットももちろんあります。
まずは強度です。他の塗装は上に塗膜面があるため、木材自体に傷が付きづらくなっています。反面、オイルフィニッシュの場合は表面が木材なので、傷は木材に直接つくことになります。また、木材に染み込んだオイルがおよそ半年〜1年ほどで乾ききってしまうため、定期的なメンテナンス、つまりオイルの塗り直しが必要となります。
ただ、オイルフィニッシュは他の塗装と比べ、簡単に行うことができ、慣れれば20分ほどで作業完了することもできるので塗り直しも習慣にできれば大きな手間にはなりません。また、多少の傷であれば、塗り直しの際に表面を研磨しとってしまうこともできます。